海へ/葉leaf
 
で起こった災厄のかけらを、君はいともたやすく摂取していく。君は部屋を超越し、再び部屋に収まっていく。その超越の途上にこのように海たちのまたたきが塔を作っていく。

海は至る所に傷口を持っていて、君はその傷口を拡大する。手を振り脚を振り歩いていく君は笑いながらもきわめて残酷だ。君は断片の時間を生きていて、海は断片にくまなく流れ込む。玄関に遺失された小さな靴の二つの穴にも海は流れ込み、同時に君も流れ込む。君はずっと混沌であり続ける。大人になっても混沌であり続ける。君と海との命をかけた戦いは今まさに火ぶたが切って落とされた。



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