うそつき/暗合
おねがい、ぼくを、ころしてくれないか。頭の中のきみは、水色の、ぼくだけがしっている秘密基地で、ぼくをまっていてくれている。それが希望以外のなんだというのか。きっと、かわいいかおをしているんだろうね、声は、とってもきれいだけれども、きみをしっているのはぼくだけだ。でも、ほんとうのぼくをしっているのは、きみだけだよ。だから、ぼくがしななきゃいけない理由もわかるだろう。瞳にうつったぼくの舌の赤が、きみを汚くしてしまっている。ぼくはもう、たえられない。きみがそんなに、うつくしくて、ぼくを、すくってきてくれたというのに。
戻る 編 削 Point(2)