美しい女の龍の夜/秋葉竹
 


その龍は
夢の中では
生きているみたいに愛している

そういえば
あのときみた龍は
すこしだけ
さみしそうな眼をしていたな

さすらいの物語にも
飽きているような
気だるげな瞳で

三日月をみあげていたなぁ
翔びもせずに
歓びもせずに
媚びもせずに

そしてもちろん
飽きもせずに


だから
そんな彼女に
蕩けるように
惚れてしまったのだったけれども

そして
それは当然たわいもない
むかしがたりの
たわごとだったりするのだけれども












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