詩の日めくり 二〇二一年七月一日─三十一日/田中宏輔
東(トン)という名前の男が女に刺されるというものだった。男は女のヒモのような存在で、女を男に抱かせていた。どこがSFかわからない、ふつうの小説のようだった。それもつまらない。
4作目は、夏笳の「百鬼夜行街」機械でできた幽霊たちが住む百鬼夜行街に捨て子として現われた主人公の少年。15年もたつのに7歳の姿のままの少年は人間ではないのか。機械蜘蛛が百鬼夜行街を壊していく。少年も首を切られた。でもまだ意識はあった。少年も機械だったのだ。機械蜘蛛たちも停止する。
5作目は、夏笳の「童童の夏」少女が主人公。医者のおじいちゃんが家にやってくる。倒れて足を折って車椅子に乗らなければならなかっ
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