詩の日めくり 二〇二一年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
でした。

 しかも、ぼくが高校生のときには、先生も、ぼくらのコンパにきて、お酒を飲んだし、10000円札を残して先に帰っちゃった。「これで酒でも買って飲めや」とか言って。粋な時代だったんだな。いま、先生がそんなことしたら、即刻クビになるだろうね。45年もまえのことなのに、ついきのうのことのように思い出せる。それほどハッピーな時代で、毎日が強烈な印象を残す日々でできていたような気がする。そのうち、いくつかのものを詩にして発表してきた。高1のときの初体験を「夏の思い出。」に書いた。ぼくのなかでも大事な詩だ。

 夏の日。夏休み。コの字型に並んだクラブのボックス。そのコの字型のなかで、コンクリ
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