言ふなかれ、君よ、わかれを、/藤原 実
彼らはただ兵士として?年としての、哀感と感愴とを、その昂奮と陶酔とを、この行軍歌のうちに求めてそれを見出してゐるのである。さういふ事實の重點をさへ諒解すれば、勿論この軍歌などは毫も禁止に價するものではあるまい」
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と書いているように、詩に対してイデオロギーではなく、何よりも「哀感と感愴とを、その昂奮と陶酔とを」求めたため、時局の異常な高揚感に抗するすべもなく、高く高く舞い上がって行ってしまったのでしょうか。
そんな三好を杉山平一は「三好達治の詩と人柄」(『杉山平一詩集 現代詩文庫』、思潮社)で弁護してこう言います。
{引用=「三好さんはたしかに「討て、米英」という詩を書かれ
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