言ふなかれ、君よ、わかれを、/藤原 実
集を読んで注目したのは、その内容よりもむしろ朝日新聞出版局によって書かれた序文です。
{引用=「集められた一聯の詩は表題の示すやうに、聖戦に感激した著者が、病床にあつて新聞やラジオによつて知つた前線、銃後のニュースに即して、少國民のためにその感激と情熱を歌つたものであり、その中に脈搏つものは、直截にして美しい日本の言葉をもつて護へられた清明、崇高な日本精神である。そしてこれはまた、一億同胞が一團の火の玉となって、敵米英撃滅に突進してゆくとき、詩人白秋氏が、病苦と闘ひながら渾身の努力をもつて、大日本帝國の將來をになふ少國民のために書き?つた熱血の進軍歌である。
詩はかつて、青白き感傷と抒
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