生きてゆく/秋葉竹
暗く寒い夜を越えて
たどり着いた黎明
乾いた涙のあとは
叫び声の痛みの残骸
今日まで生きてこれた
それだけでも心は褒められていい
雪崩れ込む悪夢の記憶を
消し去ることまではできないから
遠くから射し込む光は
小さいけど純白の翼のようで
忘れられない痛みさえ
やさしく抱きしめてくれるだろう
きっとふたりともの痛みが
混ざりあってとても悲しくて
けれどそのとき聴いた掠れた吐息が
あまりに美しすぎるから
やわらかくあたたかい朝日を眺めて
両手を広げて大きく息を吸い大きく息を吐く
生きることを諦めることも簡単だったけど
でも正しくはないと知ってるから
この道を生きてゆく
この世界で生きてゆく
この終わりかけのときを生きてゆく
この人と………生きてゆく
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