ミゴロモにたとえよ/あらい
 
だけが道徳に 似合っていたと

<標本室と匂い立つ>
雲の糸を紡いで 
えがいた
「おやすみ」
儚い恋模様よ

廃線にある口添えばかりのはしけ船
おおらかな花の波にぼんやりと
照らしていく
なんとなく 
待ちくたびれて 
いたような、総べてが 餐まれ
心が蝕まれる地下へ慄えるは続世界へ

とりたちのささやきが、氷の底に月白を抱く 
眼光まで 
熔けはじめた空を游ぐ(白濁の淫雨)
永劫に頬を染める 
この手で/
目隠しを/
外した訳も。

蒼茫の葬列は泥沼の星光
その宝石の不浄を結ぶ死期を
ミゴロモにたとえよ
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