ミゴロモにたとえよ/あらい
待合室に金魚が咲いている、感覚を
惨殺する(業とは)きっと細くしなやかな
――クローバーに今日もひかりは降る
脈々と茂る翠に
ふらついたときめきが栄える、朦朧
とした意識は無鉄砲で意地悪だった
薄らぽにゃりとした綿毛の
息を呑む子どもたちの大通りに、面した
僻地に行く先を追い求めた時に
蜃気楼のようなわずらいが
あゝ外は、どうなっていたのだろうか
檸檬色の蝶が糸を張るように
両表の折り紙を丁寧にちぎって
はりつけたみたいな この魔法を
零したいばらは、
『風をずるずると浴びる。』
残滓を施した中心には
『積み木ばかりの御伽の国』の
保護色だけ
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