詩の日めくり 二〇二一年五月一日─三十一日/田中宏輔
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10作目は、ジュディス・メリルの「深層のドラゴン」夫婦がいて、3本足の怪物に妻がとらわれているのを夫がたすける、という筋書きで物語は進むが、それは脳内で行われるシミュレーションで、それが精神療法であることがわかる。
11作目は、アルジス・バドリスの「クリスタルの壁、夜の目」メディアをも自分の傘下に置く実業界の大物が主人公。彼を暗殺しようとする者と火星で対決する。主人公は火星人によって不死の身になっている。結末は書かれずじまい。
12作目は、ジム・ハーモンの「シカゴのあった場所」世界中の人間が人間や動物を殺せなくなっている世界の物語。放送局が大脳皮質反転状態にする電
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