詩の日めくり 二〇二一年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
た人間が自分とうり二つの人間をつくるが、間違いを正そうとして派遣された人物に、本人のほうが分解消去されるというもの。


二〇二一年五月二十四日 「ベティアンよ帰れ」


 8作目は、クリス・ネヴィルの「ベティアンよ帰れ」赤ん坊のときに両親を交通事故で亡くした宇宙人の物語。地球で少女時代を過ごしていた。大学に入ったときに、同胞の宇宙人が訪ねてきて、いっしょに旅をしようと持ち掛けてきたが、地球での思い出が大きくて、同胞のもとへとは行かなかった。

 9作目は、ジャック・フィニイの「こわい」フィニイ独特の、いまと過去、現在と過去が混沌とした物語である。タイトルと内容はあまり釣り合ってい
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