詩の日めくり 二〇二一年五月一日─三十一日/田中宏輔
主人公の仕事といえば、ボタンを押すこと。ちっとも楽しくないと思っている。
4作目は、ウィリアム・モリスンの「審査の基準」ケーキの味の品評会。審査をするのが人間ではないという点だけがSFなわけか。妙な作品。
5作目は、ジェローム・ビクスビイの「火星をまわる穴・穴・穴」直径ほぼ4インチ、惑星の表面、平均4フィートのところに無数の穴があいている。それらの穴はほぼ直線状にあいていることがわかった。そこから得た結論は、ごく小さな衛星が火星の表面をめぐっているということだった。この話は憶えていた。わかりやすいタイトルとアイデアだものね。こういうものは、先に書いた者勝ちなんだよね。詩でもそういう
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