詩の日めくり 二〇二一年五月一日─三十一日/田中宏輔
 



 クロミス卿は帝国を失ったジェーン女王の側についている。脳髄を取り出す化け物のような歩行機械は、ゲテイト・ケモジットと呼ばれる。

 そして、物語の終わりに、殺戮歩行機械がなにゆえにつくられたかが明かされる。再生者をつくるためであった。ジェーン女王の配下の小人は再生者とともに活躍し、王国の奪還に成功する。クロミス卿は、友の死によってうちひしがれる。ずいぶんたってから再興された帝国にクロミス卿は戻る。『パステル都市』やはり傑作であった。

 きょうから寝るまえの読書は、『世界SF全集 第32巻 短篇集・現代篇』だ。ずいぶんむかし、たぶん20年ほどまえに手に入れたものだろう。傑作短篇
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