詩の日めくり 二〇二一年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
を従えて歩く女。その女を追いかけて、結局は女に殺される男。男は女が自分の母親を突き落として殺したことを知っていた。


二〇二一年五月十四日 「永遠の一日」


 6作目は、「永遠の一日」地球は自転をやめて静止した状態である。そこでは、わずかな生存者がいて、わりと優雅に時を過ごしていた。主人公の青年はひとりの男の医者とひとりの女の画家に出合う。あとで知り合った別の女が医者をその女の連れ合いの運転手に殺させる。その女は医者の元患者だった。

 7作目は、「うつろいの時」人生の終わりからはじまりまでを、時間を逆回しにして書かれたもの。つまり、墓場からはじまり、産院で終わる物語。叙述がう
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