誰がバンビを殺したか/ホロウ・シカエルボク
 
め始めたころだった―一人の老婆が杖を突きながら署を訪れた、ぼさぼさの、雑草のような白髪に、乾燥させた果物のような薄汚れた浅黒い皺だらけの顔、薬物中毒すら疑えそうな虚ろな目、半開きの口、いつ身に着けたのか分からない薄汚れたワンピースを着て、メリーとローラの話をしに来たんだ、と、受付で声を張り上げた、それを目撃した署員らは少しの間きょとんとしたが、もしかしたらあの少女のことかもしれないと気づいてとりあえず相談室へと招いた、「お名前は?」「忘れた」「ええと…新聞に載っていた二人の少女のことですね?」「そうだ、メリーとローラだ、わたしの…同級生だった、小学校のときだ」彼女の話を聞いた警官は、この老婆は認知
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