夏の朝/ひだかたけし
 
真夏の空、玄関口
立ち尽くす我
草木の揺れ、
うねる大気、
光の庭

あゝ世界は無関心に
私という存在には
全く無関心に
広がり在った、圧倒的に
その時私は気付いたのだ
異郷のようなこの光景こそ
世界という真実なのだと
四十五億年の素顔なのだと

真夏の空、玄関口
立ち尽くす我
草木の揺れ、
うねる大気、
光の庭

自己耽溺を剥ぎ取られ
剥き出された実相が
静かに迫る、夏の朝

 (世界という他者
 他者としての世界)



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