夢の犬/
秋葉竹
んざりなんだ
人を
信じる心を失いかけているんだ
なんてね
そんなヤワな愚痴を吐く
弱気な傷口を
けして逃げているわけではない
逃亡劇のまねごとを
笑って許してくれそうな
心を綺麗に洗い流してくれそうな
よもぎ色の風が吹く
あの部屋からはずいぶん離れた風景を眺めて
そういえばあの子犬の
名前を呼んであげなくては
なんて
夢ではいっしょに暮らしてる彼女の
名前ばっかりなぜか考えてしまうんだ
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