水と焦土/木立 悟
 





長い水の針の影
口から羽と血を流し
すべての鍵盤に蝋燭を灯し
弾いては倒れ 弾いては倒れる


指の動き 空気の根
傷の痛さ 爪の長さ
腕ふるわせ 指ふるわせ
空の底の底を仰ぐ


太陽が散っては戻り
散っては戻り散っては戻り雨になる
背を向けると虹になり
海へ海へと遠去かる


川の帰りを待っていると
虫ばかりが寄ってくる
かろうじて見える南から
冷たさが近づいてくる


ひっきりなしに降るものは何
ひっきりなしに降るものは無い
角は多いほうがいい
尾も多いほうがいい


低く大きな音がとどまり
震えを残して去って
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