童夢(改訂)/ひだかたけし
 
縁側で
ぷっと
西瓜の種飛ばし
放物線の先を
追っている
幼い子供が
独り居て

遠い夏の日
夏の午後
その日を生きる
幼子が

風に吹かれて
風に吹かれて

名無しで
途方に暮れながら
今この瞬間を夢見ている





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