遊泳禁止/ただのみきや
水に溶ける道化師
あの尻に開いた窓との間に
雨の幕
ブロック塀を上手から下手へ
一羽のスズメ
踊る小娘
米を撒く
無礼千万
豆も撒く
満員御礼
意味もなく
合点承知と
神はなく
残念無念と
きみは泣く
万事休すと
夢もなく
靴下なくした
小娘ころんだ
泣いて涙をながしても
雨に飲まれて見えなくなって
あまえる人もいないから
泣く泣く起きて帰って行くと
空からカラスがアメ玉落とし
娘の口へころがって
のどに詰まらせ目ン玉白黒
羽毛のパンツも脱ぎ捨てて
スズメの目は見た耳を見た
あや
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)