指先の輪廻/ホロウ・シカエルボク
意識的と無意識的、その狭間に立ちながら、いまはどっちに居るのだろうと考える、その境界は年々曖昧になっていく気がする、それはやがて必ずひとつの世界になるだろう、俺はもう知っているのだ、だって俺は、自分の歪みを知り、それについてずっと目を凝らしてきたのだもの…見つめ続けた世界の先に新しい色が見える、あれに辿り着くのはどれくらい先になるだろう、もしかしたら、知らないうちにその先へと進んでしまうかもしれない、そして俺は、あれはどこに行ったのだ、と訝るだろう、そうしてまた、俺の指先は真実を求めて激しく動き出すだろう。
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