金曜日に/落とし子
 
この部屋の中心はどこだろう、
その質問も今はもう
何の意味も無い、
答えを知っても
何も変わらない
そんな現実のほうを僕は
憎んでいたのかもしれない。

例えば川沿いの道の
小石を手に取って
君の耳を思いだす、
そんな連想すら
何かにしばられていて
僕には荷が重いよ。

頭が変だと思われるから
君に話した事は無い、
そんな僕のズルさと相殺で
君の日々は
ズンズン進んでいくんだろう?

僕の日々は
その辺に転がってる
吸い殻が、
風に吹かれて
空気と混じってく
速度だ。

水曜か木曜日に、
ああ、そうか君ともう
自転車に乗って
図書館に行くことは、
二度と無いんだ。
君が借りた2冊の本は
変わった題名で、
読む気がしない。
めんどうだけど僕が
返却しとくよ。

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