戦争と戦争ごっこの話/ホロウ・シカエルボク
必ず居るよ、もう何十年かは書いてるけど、毎年、必ずね、だから、読みたがるやつが居るかどうかってことなら、居るんだろうな」俺は男を見た、少し顔が赤くなっていた、「たいした数じゃないだろ」「見知らぬ人間が自分の詩を読んで、声をかけてくれるなんてことがどれだけあると思ってんだ?そんなの普通、滅多にあることじゃないんだぜ、特に、俺みたいな書き手にとってはね、俺はそんな有名じゃないし、一般的な書き手じゃないからね」男はなにか言いかけたが俺は言葉を続けた、「ところでさ、あんたはなにか書いてる人なのかい?それともいわゆるロム専ってやつか?」書いてる、と男は吐き捨てるように答えた、「でも今は休んでる、ひとつステッ
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