荒野(改訂)/ひだかたけし
 
剥き出されている

神経は逆立ち
熱風に鳥肌立つ
紅の樹木は激しく波打ち
瞳をくりくりと輝かせた
木登り少女は姿を消した

何にもない、何もない
意味は全て剥奪され
記号だけがひょろひょろと舞い
か細く話し掛ける声の渦

この絶え間ない痛みのなか
世界の荒野が
剥き出されている

剥き出しの世界がそこに在る

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