正風亭(推敲後)/武下愛
 
有難く戴く命の前では。儚く散るのでしょうか?それでも。伝えさせて戴きたく存じ上げます。教わった全てが有り難き幸せな事ですと。何故、御亡くなりになられる前に。弱音の一つも零さず送りだしたのでしょうか。私等放って何も教えずご自愛くだされば長生きなされたでしょうに。今の私等が初心を教える事等。愚を愚にするだけでしょうに。頭の上がらない方は少なくは無いモノでございます。手を合わせ黙祷する暗闇に愛がございます。愛するでも愛されるでもなく。愛そのものでございます。

私は木陰に揺れる陽を見つめ、秋空をだんだん見上げていきます。水色が見上げるにつれて青色から、蒼穹(そうきゅう)。雲一つ無いですね。すぅ
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