かなわない/武下愛
 
買い取れないかんじょうせんには、もしもが、いくつもちらばっている。数億の星を、口に含んでも甘くはない。たとえば僕が女だったら、さよならもなかった。どうして?にはどうしても、が。ついてまわる。僕は私に成れない。結局は、僕を見ている人はいなかった。あなたがみていたのは、僕ではなかった。比べられた結果、さよならを穿つ準備をした。思い出は刃物、どうしても自分で傷付けてしまう。比べなかったのは、比べられる事を知っているからだよ。僕も比べてしまった。本当と嘘を横に並べた。僕は卑怯だよ。実際に言葉にした時、僕はあなたを手放したくなかった。でもね?物事には限界があるんだ。かいとれない、かんじょうせんに、くりっくし
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