言葉に汚れて/武下愛
笑えない世界に何も見出せなくなって。笑えるものなんて自分だけで充分だって思って。瞳を閉じてから。嘘の塊でできている。自分を見つめる。何処に居ても与えるだけの存在として貼り付けられる。誰もが甘えてくる。誰にも甘えられない。なにかができる人にはどうしていつも同じ結果が来るの?
情景には誰も存在させたくないわけではなく。誰も存在できない。透明な人を思い浮かべてはみじんも残らないと分かっている。
私は六年以上人を辞めている。
残酷な人しかこの地球には必要ないみたい。だから私は地球外生命体。いいえ。望んで生きている私は誰よりも残酷。
繰り返し聞き返されて私の言葉が崩壊しているのかと、
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