月の影に咲く花/武下愛
ちらも持っているけれど、どちらも持っていません。持つという事を待っていたんです。
十六〜ニ十八。秘め事は男女問わずあるんです。明かす事だけが全てじゃないよ。お墓に持っていく事も決めてる。そんなに多くの事は誰も望まない。望むという事がどれほどの価値を持つのか?僕には答えがある。誰にも教えないだけだよ。
月達の会話がこうこうと聞こえる頃に、星達はきらきら笑います。あの日僕は月達の影に見付けたのです。満ちる事も欠ける事もない。
とこしえの花。
あなたの影が美しいのは、僕が美しいと感じるからではなく、誰かにとっての光が昔は、陰であったから。輝きだす瞬間に出会えたら。何よりも幸せなのかもしれない。
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