それは素粒子よりも細やかそれはあやとりそれは贈り物/武下愛
 
暗闇だけの頃、触れ合い擦れる感触、肌に伝わる振動、煮詰められた咆哮、手探りした香り、譫言の熱、が、頼りだった。予めでは無い空間。空間を含めた全て、妖精の尻尾を掴むのと一緒。持ち寄った種は無駄を嫌う。存在する事だけ、ではなかったから、認識が可能な位の微光草へ。知らなくても、駆けていく言葉を問わなかったね。

丸く縁取られた湖面の平面だけを泳ぐ潜れない湖面鯨。潜って見上げても見えない鯨。知らないから、表面だけしか知らないのだろうという人々は子供。一つだけしかない流星の最後を鯨に捧げると、無数の割れないシャボン玉を鯨が飛ばしてくる。受け止められるだけ、ありったけの穴で飲み込み隙間が無くなって溢れ出て
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