詩の日めくり 二〇二〇年十一月一日−三十一日/田中宏輔
 
もった少女の話。先生からも、母親からも、こう訊かれる。「あなたはだれなの?」と。


二〇二〇年十一月二十八日 「海東セラさん」


 海東セラさんから、個人詩誌『ピエ』第21号を送っていただいた。「わざわざ乗せた傾きをその手で保つひとの背に、空が半分覗いている。」といった詩句に目がとまる。「矩形に切り分けて進むうちにすっぽり埋まってそのひとそのものがまず消える」ビジョンを見ようとして、頭のどこかで考えている。
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 むずかしくはないけれど、そう簡単なものでもない。「黙したまま、起点はくりかえしつくられる。」そ
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