詩の日めくり 二〇二〇年十一月一日−三十一日/田中宏輔
 
敵から火薬などの武器を奪って逃げる少年兵士たち。途中に川があって、一時間のうちに橋を架けなければならない。敵が追ってくるからだ。どうにかして川に橋を架けて逃れた。箴言じみた言葉が二つ、目を惹いた。ひとつは、「人がほんとうに存在するのは、思い出されるときだけだ」(吉田誠一訳)、いまもうひとつは、「まともな人間はみな、地獄をのぞいたことがあるのだ。」(吉田誠一訳)

 20作目は、ロアルド・ダールの「廃墟にて」人肉を食べるまでの状況。「少し分けてあげても構いませんがね、次の食事を提供すると約束してくださるのならば。わたしはまったく汚染していません」(吉田誠一訳)

 さいごの21作目は、ボブ・オタム・ジュニアの「から騒ぎ」「ここは宇宙の果てです」という大きな看板が出ているところに出くわす宇宙の地図製作者たちの話。オチのある落語のような話。



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