候/あらい
笑窪や谷間における大気の現象は
空き缶の中に、門扉を失くす
自動販売機の明りを飲み込んでいるだけだと
少年の手を引いて尋ね回るが
そもそも昆虫はその先を知らなかった
滲んだキャンバスの敷居を跨ぐと
左翼から溢れた鱗瞼が落ちる。
、と瞳が言う
どういう意味なのか。と、
朝になってから
群れをなす胡蝶はまだ
酔いの褪めない畳の縁をはんなりと揃えた未来だ
ここはシミが浮き出しただけの
、真珠の色に例えられた
ねえ、君よ。
その宝玉はいったい、
焼き付いた抽象の青頭巾をどうやら
鏡の数だけ悲嘆にくれたものだ。
指し示した影のとおりに
。大蛇がのそのそと這って出る、
睡蓮はその背に花を抱かせて昏れていた
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