足を洗う/ひだかたけし
 

荒涼とした
この地に独り立ち
おまえの傷ついた足を洗う

地獄にも似た静寂が辺りを覆い
暴威の呪われた異邦の声が響く

冷えた原色の広がり、渦巻く虚空の闇

おまえは微笑む
いつまでも微笑んでいる
そこだけ青く澄み渡っていくように

おまえの傷ついた足を洗う
ひたすらに洗う
荒涼としたこの地に独り立ち
夢見る心を遠く離れ
不安を自らの友として
メランコリーに達して





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