遠雷 通り雨 そして青空に消ゆ/シギ
僕たちには 忘れてはいけない罪があるのでしょう
だから 苦しみ 悲しみ 涙しながら生きてゆくのでしょう
あの子は立ち上がり スカートの砂をはらい落とした
そして僕の世界、青空、心の中から消えてしまうのでしょう
いつか、あの青空が消え 降りそそぐ雨は
決して毒物では無い、ように 彼女は決して
閃光には、なれないように
僕たちは生きてゆかなければならないのでしょう
そして あの子は絡めた指をふりほどき
独り その身を捨てたのでしょう
忘れてはいけない罪があるのでしょう
それは 僕たちの遠い母や父が 遠い遠い過去に残した
原罪、なのでしょう
そして 僕たちは繰り返すのに
ひとつになりたいと 腕を絡めるのに
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