触れて/ぱーちゃん
 
メビウス

すりへるたばこ
うかぶ街の灯
色めく大気に
後ろ髪を引かれ


ピース

電柱 アパート コンビニ 自転車
全てに顔を向けたまま
吸い付けるようにして後ずさる
全ての辿り着く その自らの輪郭に
身を重ねるように
その足元に灯る


エコー

おりていく
無数のたばこが
隙間なくもえている
その一つに
おりていく
無数のたばこが
隙間なくもえている
その一つに
おりていく
無数のたばこその輪郭が
どこまでも
どこまでも
どこまでも
ひしめき合って
辿り着けない
ふと 振り返り
のぞきこむと
夜空をふちどる
ゆらめきが
ひしめく輪郭を
なぞっていく
重なり合い
のみこみ合い
中心を失って
燃え盛る灯の手は
なだれるように
触れて
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