そばにきて/
杏っ子
現実を言葉で変えられることはない。
ほぼない。
そんなことに情熱を傾けるのは詐欺師くらい。
言葉は無力。
今日もやっぱり届かない
存在意義を彼らの中に私が入れられないのか
私が彼らを受け入れないのか
その両方で私の言葉はあまりに無力に伝わらず谷へ落ちる
彼らと私の溝に
だからこそ私とあの人たちの隔たりは今日もより一層深まった。
灰となった言葉がいま蝶となって翻る
私の言葉を聞く人よ
そばにきて
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