ちいさないのちのうた/ひだかたけし
 
ちいさな
ちいさないのち
ちりはて
遠いみ空を
かけてゆく

 境界線を越えたなら
 きっと合図するからと
 しろくはかなくそう言った
 ちいさないのちにあふれる涙

あめがふり
まちをしっとり
ぬらしていき
ちいさないのちは
すきとほり
主(あるじ)の居ない
せかいをめぐる

水の色した世界を巡る

  *

いのち果て
果ての涯てまで行ったなら
無限の理想を仰ぎ見て






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