そのかさをとじる/あらい
 
 期待外れにも所持している体躯は永久に若々しく、蛤の殻を積み上げて、浜辺に打ち上げられた。ほんのささいなオケージョナル・ドレス、銀杏の季節の後ろ姿ばかりを見送っている。運悪く雨に心つくし、幸いにのまれるなら。境に圧する銀糸のあちこちを、滑らかに吹くことを憶える。
 晴れ間に沈んだ色調に熟れ弾かれたように起き上がり、踵を返す黒い点がいるが。細やかな折り目節目のあたたかな存在を楽に置かず、御覧、数を減らした荷車に乗りやがる。
 
   拾い物の坂を懐かしがる。
 
 肌は露出しては震えている出鱈目な発音で、はっきりとした脈が腐臭を漂わせ、罰するようなわがままをくるくると動かす。早すぎる死が、
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