スキを落とした日/
かんな
ことばでは描けない朝に
置き忘れたものがたりみたいに
君に額にスキを落とした
なんて柔らかさが
眩しい光で私が歩く一日を照らすのは
なぜだろう
なんて台詞に疑問符をつけさせないから
君には付け入るスキもないんだ
あいしてるを記すには
あまりに旅は途中だから
いつかどこかで私も君も
ことばを失った日には
背中のあたたかさを指でなぞろう
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