雨、ショッピングセンター、そして/うめバア
ぎこちなさを、また味わう
誰かが誰かの大切な人を待ち
ほっとした笑顔で連れ立ってゆく
やっとだね、ずいぶんだね
そろそろここを、出なければ
定刻
バスは出発
隣同士に座れた幸運にはしゃぎ過ぎ
時間を気にして浮かない顔をする君の気持ちを
うっかり軽んじてしまったかもしれない
雨はいっこうに止む気配もない
スピードを上げ、しぶきを立てるバスが
あの橋を渡るころ見たのは濁流
もう少し一緒にいようよと
高速道路に入ったら言うつもりだった
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