新宮栞さんの詩を読んで(ことばとことばをつなぐもの)/青色銀河団
換喩というのは隣接性による意味の転移で、しかじかの語によって指示される事物同士の接触・包含・因果関係などを利用する用法です。ここで重要なのは、隠喩を構成する雪と肌は事物としては遠く離れているので、その結びつきは言語原理によるといえますが、換喩を構成する雪と山は事物として接触しているので、その結びつきは世界原理によるということです。(「現代詩作マニュアル」野村喜和夫著 思潮社P68)}
換喩はこのように世界原理を媒体に類似性や隣接性をもって他のことばに置き換える手法ですが、新宮さんの場合、私たちの個人的無意識や集合的無意識を媒体として他のことばに置換するという独特の換喩(的手法)を用いていると思い
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