彷徨いの中にしか人生はないのだと思うことがある。/ホロウ・シカエルボク
 

抜殻を踏み潰す明方の散歩、鉤裂きの朝日に近しい気持ち、袋小路の中で思う、帰り道の入口は本当に遠い、崩落の正確な日時、直ちに必要な情報に限って提示は拒否される、どこかで誰かがそれを握っているかもしれない、という、照準の不確かな呪いだけが腎臓結石のように脳裏で転がる、オープンチェアーの上の真新しい骨壺、昨日の夢の腐乱死体が過度な圧縮によって完全に詰め込まれている、天井からぶら下がる書き損ねた詩編、プラスドライバ―で眉間から抉り出した感触の羅列、テーブルにつかないまま喋り散らすのはよしな、物事には真っ当な順序というものがある、堆積した時間に耐え切れず破裂する古い型番の蛍光灯、心を脅かす雪のようなそれ
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