囚われのエインスベル(二)(三)/朧月夜
囚われのエインスベル(二)
「祭祀クーラスは、貴女の命を奪う心づもりでいます。
すべての国家の実権を、彼に、と考えているのです」
「それはまずいな。ああ見えて、祭祀クーラスはタカ派だ。
これから何を望むのか、あるいはこの国を破滅に導くのか……」
「クールラントは、国王の力が弱いです。
ジギリス・ア・アルヌーは、祭祀クーラスに頼り切りです。
その意見には、必ずや押し切られてしまうでしょう。
貴女の命も大事ですが、国の未来も大事なのです」
エイミノア・ラザンは言う。その瞳には、憂慮の色があった。
オークたちは、ウィザムたちが作り出した、亜人である。
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