詩の日めくり 二〇二〇年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
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 フィリップ・ナットマンの「始末屋」は短いながらも続篇を期待させられる終わり方だった。エドワード・ブライアントの「地獄のレストランにて、悲しき最後の逢瀬」は読み物として優れていた。スティーヴ・ラスニック・テムの「胴体と頭」はアイデアが抜群だった。すべて読み直しをしてすぐ思い出した。  

 ゾンビ・アンソロジー『死霊たちの宴』上巻の再読を終了した。グレン・ヴェイジーの「選択」は、哲学というか神学というか、そんな方面に赴いたもので、ゾンビ臭くなかった。レス・ダニエルズのものは、ゾンビに赤ちゃんが生まれるというもので、しかもその赤ちゃんは、ふつうの人間だったというもの。       
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