星と神さま/秋葉竹
夜はいま小さな恋を突きつける月も涼しく笑ってくれる
幸せを積みあげた指が照れながらあっかんべーって顔して笑う
ただ気だるい日曜日にはただ好きなスイーツの店をただ探す午後
傘をもつ手が震えるのは寒いからじゃなくて君に触れているから
水のない川を歩いたみあげると鉄橋を走るSL列車
麦ちゃんは抱きたいときは来てくれず「ごはん」と聴けばすり寄る愛猫
夕べみた極彩色の夢どおり陽の射す教会で聴く賛美歌
神さまはこの湖の底にいて正直者を探してはいる
星が落ち転がっているアフリカの砂漠に吹くのは静かな夜風
さみしげな月が西への弧を描きたった一人でみている時計
星たちを吊り下げている糸を切り流れ星でもみせてあげるね
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