六月/soft_machine
 
液の暴発
舌下錠の脱け殻が
未解決のまま恋と怒りに朝ぼらけ
襟留めた白色矮星と
失落して軸曲したなら支えきれない
追い囃す緑灯をひき剥がし
積み燃す鍋底でゆっくり
歌いながら揮発する
少年のあわい繭の目が
間もなくことこと揺れていた

こうして葉びらく銀の外は雨
草原の彼此に凪いだ
水面の果に浮かぶ
逃れきれない
花実の光線
透視された離心軌道
六月が
遠ざかって
遠ざかって
遠ざかる


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