詩の日めくり 二〇二〇年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
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 T・J・バスの『神鯨』主人公の人間らしさが、ほんとに共感できるものだったことを思い出した。自分のクローンの生存権についての話だ。自分の身体のことよりも、人権のないクローンについての思いやりについて思い起こした。自分なら、どうかと。自分の欠損した下半身のためにつくられたクローンについての見解だ。ぼくならどうだろう。自分のためにクローンの身体を使うだろうか。クローンに生存権も人権もない状態でだ。この小説の主人公は、クローンの生存権も人権も認めていたのだった。つまり、自分のために犠牲にしなかったということだ。
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