ひとりで歩いた道のことしか覚えられない/ホロウ・シカエルボク
い言葉ばかりを使うようになる、だけどそこにはどんな美徳も在りはしない、満員の電車に列をなして並び、乗り込むのと同じことさ、共通の認識なんてどうして必要なんだ?誰もが自分のために言葉を連ねているはずじゃないか、俺は言葉とだけ話すことにした、そうさ、俺の言葉は俺にとってしか意味をなさない、でもそれは、他の誰かにとってはなんの意味もないということではない、それがどういう意味かはわかるよね?こんなものをこんなところまで読んでいるのだもの、人間が可能な限りのものをぶち撒けて見せるとき、それは見世物としちゃちょっとしたものになる、パフォーマンスの本質ってきっとそういうもんだぜ、コミニュケーションの脳天を撃ち抜け、当たり障りのない、耳障りのいい言葉だけで話しかけてくるやつなんて信じるべきじゃない、みんな、嘘をつき過ぎる、奥底から描き出されるものに目を向けろ、そうして初めて俺達は心から笑い合うことが出来るんじゃないのか、言い表せないものの為に言葉はある、それが人を次の詩へと向かわせるんじゃないのか?
戻る 編 削 Point(3)