リスキーな夜の話/ホロウ・シカエルボク
 

とても他人には言えないような
出来事を埋めながらね
隣のクラスに居たあの子
年端も行かないうちに白血病で死んじまったっけ
みんな泣いてたけど
あいつが可哀想なのかどうか
俺にはあまり理解出来なかった
良く晴れた朝だったし
気持ちのいい風が吹いていたから
ね、真実なんて
一言じゃ片付かないものだぜ
楽をしようなんて考えたらおしまいさ
だから
夜はいつだって散らかってばかりいる
ああほら、最初に話した言葉は
ベッドの下に転がっていってしまった
拾い上げたらきっと意味が違ってしまうだろう
短い口笛を吹いた
それは天井裏のネズミをちょっと苛立たせた
こめかみを掻いて、身体の力を抜いた
あれこれと戯れるには
多分もう少し遅かったのさ
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